研究室の研究方針は、社会(産業界)の必要とする、次の時代の人間生活工学領域の開拓にあります。人間生活工学の技術により、生活者のQOL(quality
of life)を高めることを目標としています。アプローチとしては、存在する問題の本質を押さえ、抽象化し、本質レベルで問題を解決したのちに、使える技術に振り戻し、順次、学会発表、論文や図書、企業指導・研修会などの形を通じて社会に伝達していく方針を採り、この一連のプロセスの中で、社会や産業界(企業など)との関係を常に保っています。
一方、教育方針としては自主自律。次の技術領域を自分の力で開拓しえる人材の育成にあります。勉強は大切ですが、誰かが過去に明らかとしたことを勉強しているだけでは進歩はありません。人の作った玩具で遊んでいる子どもと同じとなってしまいます。玩具は自分で創作し、工夫して、遊ぶものです。すなわち、現実の世界に自ら足を運び、そこで覚えたちょっとした違和感(RQ:research
question)を大切にし、そこに潜む問題の本質を探求し、抽象化し、本質を理解・解決し、そして現実世界へと再び具体化する前向きの取組み=研究が大切です。そうしたことを自らなし得る、素直で骨太の技術者、研究者の育成を目標としています。
具体的に卒業論文、修士論文、博士論文では、当研究室で扱う人間生活工学領域の中から具体的なテーマを各自一つ定め、問題発見から問題解決までのプロセスを自ら考え、一歩一歩、常に前進型でそれを踏み、所期の成果をあげることを目標としています。

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