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Komatsubara Lavoratory
研究内容
 

■研究領域   
  ⇒ 受験生の方へ:経営システム工学と人間生活工学
  ⇒ 研究紹介(早稲田理工by AERA2017)

「認知」「認識」「状況」「行動」「生活」などの[人間キーワード]と、「マネジメント」「リスク」「安全」「品質」「社会技術システム」などの[対象キーワード]を掛け合わせた工学領域を、研究対象としています。

■人間生活工学の概念
人間生活工学は、行動する個人(=生活者)を基点に置き、人の持つ生物学的、心理学的、社会的、文化的な諸側面から総体的にシステム設計にアプローチしていきます。生活とは家庭に限定されるものではなく、産業、社会などを含む、人の営み全体を指す概念です。人間生活工学とは、その生活を支えるシステムを、生活者視座から設計する技術領域です。



■主な研究課題

■ 安全/リスクマネジメントとヒューマンファクター
新聞を開くと、毎日のように、製品事故、産業事故、運輸事故、医療事故など、何かの事故が報じられています。事故をなくしたい・・・。事故の起因源にはいくつかのものがありますが、その重大な一つとしてヒューマンエラー(不適切行為)が挙げられます。しかし一方で、とっさの機転で事故を防ぐ、というような、人間のすばらしい側面もあります。よきにつけ、悪しきにつけ、安全は人に頼る面が大きいということです。このことを考えていくためには、なぜその人はそのような状況でそのように振舞うのか、ということを淡々と解き明かし、エラーを避ける条件を明らかとし(safetyT)、一方で、ヒューマンパフォーマンスを向上していくこと(safetyU)が重要になってきます。各種産業においての安全・品質のために、人間行動の記述モデルの開発とシステム設計方法、安全のための体系だったマネジメントの方法論と手法を構築することを目標としています。特に、FRAM, STAMP/STPAなど、変動する状況下における複数のシステムの相互作用における安全設計手法の応用に取り組んでいます。


■ 教育訓練プログラム開発
効果的な知識教育、技能訓練、技能継承、意識改革などが、産業界において求められています。伝達・育成すべき教育訓練内容の記述から始まり、コースウエア開発、教材開発など、産業教育・訓練方法の開発を目標としています。中でも安全に関係して、non-technical skill (いわゆる現場力)の教育訓練方法の開発を目指しています。

□ インタラクション・インタフェース研究
情報家電製品、医療用機器はもとより、消費生活用品、さらには無体物商品(サービス商品など)に至るまで、「利用のし方がよく分からない」「使い間違えてしまう」「自分の伝えたいことがシステムに伝わらない」という問題があります。基本的には製品やサービス内容の理解支援、及びその操作手順とその伝達設計の問題であり、広い意味でのインタフェイス・デザイン、インタラクション・デザインに帰着されます。これについて、人間中心設計プロセスをベースに、設計支援技術開発を、主に認知的ユーザビリティの立場で行っています。さらに、よりよい製品やサービス開発のためには、モノやコトの発する情報と人との関係性を議論する必要があることから、自然な行動という状況論的な側面から、モノやサービス設計、ロボットなどとのインタラクションデザインのための技術開発へと展開しています。


□ 生活研究
少子高齢社会、情報社会といわれる社会の動向の中で、私たちの生活自体も大きく変化してきています。ここにおいて、家庭生活、日常生活のみならず、職場生活、学校生活、社会生活など私たちの生活そのものの根幹、すなわち生活文化を解き明かし、そこを基点とした「もの作り
」「こと作り」、そして生活者中心の生活設計を進めことが必要となってきています。いわゆるuser experience(UX)、経験・体験デザイン/時間デザインということです。生活観察、生活研究、質的調査、そしてそこから浮かび上がった生活本質を、「楽」で「楽しい」商品やサービスの企画・生活提案へとつなぐための技術開発を目標としています。

◆ 認知行動研究
上記のような研究課題を検討するためには、人間の行動そのものの理解が欠かせません。そこで、人間行動の分析、記述のためのモデルと記述方法論を開発することを目標としています。またMODAPTS法の普及・展開にも携わっています。

◆ 人間生活工学技術の標準化
人間生活工学の技術について、この領域で行動する技術者が身につけるべき技術を体系化、標準化し、図書(教科書)、教材、技術解説論文などの形を通じて発表し、知的基盤の形成に努めています。

以上の研究課題は一見すると脈絡なく見えるが、全て、「人間の自然な行動」をベースにおいての、製品開発、生活開発、ワークシステム開発を目標とすることであり、それぞれが不可分な関係にあります。海底炭鉱から有人宇宙ステーションまで、おもちゃから原子力発電所まで、およそ人の営みを総体的にとらえることで、ありのままの人間の生活(=営み)を追究することを研究目標としています。


 

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